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ホピ族に伝わるカチナの神話

ホピの人々はこの世の全てのものには物質と精神の2つの形態があると信じています。 "katsina"という言葉は精神を意味する"katsinum"から生まれました。 (ホピのカチナドールは"kachina"ではなく"katsina"と表記されます。)
カチナがどのようにホピの人々の前に現れたかという話は昔のホピの村から始まります。。。。。。

干ばつと飢餓が長い間続きました。徐々に食料はなくなり人々が死に始めました。 カチナ達はこの全ての望みが失われ苦しむ人々を見て哀れみました。 カチナ達はこの人々のために雨を呼び食物を育て、祈りの力を使い病を治すため自分たちの姿を見せることを決心し、人間的な形に姿を変えホピの人々の前に現れました。 今までホピの人々はカチナを恐れていました。 その超自然的な力は不吉なものかも知れないと思い決して見ないようにし、 武器を集め追い払う準備をしていました。 しかしカチナ達は歌と踊りを用いて人々を清め、飢えている人のための食料を生産し、病を治す手助けをし、さらに干からびた作物に雨をもたらしました。 カチナ達のおかげで人々は生き延びることができました。 皆カチナにとても感謝し、カチナの部族の一員になることを望みました。 そしてカチナとホピの人々は一緒に暮らし始めました。

しかし、時が経ち飢えることもなく生活できるようになった人々は、徐々に怠慢になりカチナの生き方を軽視するようになりました。 畑には雑草が生い茂り、夫婦はふしだらになり、自分の面倒を見ることの出来ない老人達は忘れ去られ、子供は泣き叫んで汚れたまま放っておかれました。

・・・そしてアドビ煉瓦の建物は崩壊し始めました。・・・

カチナ達はホピの人々との生活の結果を見てホピの生き方を妨げてしまったと感じました。そしてここから去ることが最良の方法だと考えました。 カチナの考えを悟った人々は彼らに留まるように説得しましたが、カチナ達は拒みました。 立ち去る前にカチナは捧げものの用意の仕方、儀式の服装、歌と踊り、自然を超えた力を身に付ける方法をホピの人々に教えました。 儀式が正確に行われた時のみカチナは雨を運び、収穫をもたらし、健康と幸せを全ての人に与えるため彼らの祈りをより高い神に届けてくれます。 これらの教えと共にカチナ達は自分達の住む聖なる山(現在のアリゾナ州フラッグスタッフ近くのサンフランシスコピーク近辺)へ帰りました。 カチナ達は冬から春にかけて雪と雨をもたらし、確実に作物を成長させるために種を発芽させます。そして季節を巡らせるため6ヶ月間ホピの人々を訪れることを約束しました。

この約束の通り、現在も冬至から夏至の時期までの約半年の間、様々なカチナの儀式がホピの村で絶えることなく行われています。


解説

12世紀頃にアメリカ中西部地域で100年ほど続いた大規模な旱魃がありました。 多くの人が命を落とし、生き残る為に人々は水を求めて新天地を探しました。 乾燥した地域にはこの時期に放棄された住居跡が残されており、その一方で涸れない水辺には新しい住居が残されています。 また、この時代の人々の大移動によって新しい文化が形成されました。 この時代を生き抜いた人々が自然の力を恐れ敬い自然の中のカチナという存在を再認識したのだろうと思います。 カチナは400種程度存在すると考えられていますが、ホピの人々にも正確な数は分かりません。

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