KOKOPELLIとは
「KOKOPELLI」はカタカナで「ココペリ」と表記しますが、ホピ語での発音を表現すると「コーコペリ」が近い表記になります。
より最近の説では「Kachina hump」カチナのコブ(背中にコブのあるカチナ)を意味しているというものもありますが、 無理矢理こじつけたような印象を受けるため賛同しかねます。
ココペリと同じような猫背のデザインは西暦1200-1400年頃のミシシッピーの工芸品で猫背の女性が描かれているものがあります。 ココペリとの関連は不明ですが東の方まで伝わった可能性はありますが、アメリカによくいる昆虫をモチーフにしたと考えるが自然でしょう。 結局のところ答えが出ないというのが現状です。
別の呼び名 Kokopele
Kokopelli-mana or Kokopelmana (ココペリの奥さん) (Hohokam)
Kokopeltiyo
Kokopilau
Neopkwai'i (Pueblo)*
Ololowishkya (Zuni)*
*ココペリと同じものなのかは不明。

アリゾナ州フェニックスの郊外:詳細失念。ムギヨンだと思われます。

アリゾナ州セドナ近郊:シナワのペトログリフ。西暦650−1300年頃。

コロラド州ダイナソー国定公園近郊:フリーモントのピクトグラフ。西暦800-1200年頃。

アリゾナ州ペトリファイドフォレスト国立公園内:古代プエブロのペトログリフ。西暦0-1300年頃。
壁画や遺跡に興味のある方は当店店長運営のこちらのサイトもご覧ください。
https://petroglyphs.arizona-studio.com
KOKOPELLIの起源
アメリカ中西部地域の広範囲にわたりココペリを思わせる様々な壁画が発見されています。 陶器に描かれたココペリのモチーフでは西暦750-850年頃のホホカムのものが最古とされています。 様々な年代の様々な部族の中にココペリ(のようなもの)が存在していたためココペリの物語は数多く存在します。 描かれるココペリの形態もまた多様で、角(触角)の数は2本から5本ぐらいまで存在します。 古いものでは2本が多く、昆虫の触角のように見えることから昆虫を描いたものと推測されます。 4本のものは4つの方角を表すと云われていますが後付けの解釈だと思います。 5本以上のものは棘のようでもあり頭髪のようでもあり正体は不明です。猫背のフルート奏者
一般的に広く知られているココペリは猫背のフルート奏者です。 これは主にナヴァホに伝わるココペリの形状で、ナヴァホがココペリを世に広めたと言っても過言ではないでしょう。 豊作をもたらす農業の神様で雨を降らせ作物の成長を促進させてくれます。 別の話ではフルートの音色で女の子をナンパするという話もあります。 また、吟遊詩人やペテン師といった意味合いも持っています。 この形態はアメリカでも人気は非常に高く、様々なショップの看板や商品にこのデザインが用いられています。カチナのココペリ
ホピ族のカチナとしてのココペリはムシヒキアブという昆虫とされていますが、豊穣の神や子宝の神としても知られています。 背中の膨らみは猫背によるものではなく子供が入った袋を背負っているためで女性に子供を配ると云われています。 そのため子供を望まない若い女性には嫌われているようです。 古いカチナドールでは股間に突起がある形態のものが多く子宝の神としての意味合いが強かったことが伺えます。 最近のカチナドールでは種が入った小袋を手にしていることが多いようで豊穣の神の意味合いが強まっていると思われます。 女性版のココペリであるココペリマナ(kokopelli mana)も存在しますが、こちらは儀式の合間の余興にて道化のような役割を果たしています。 如何わしいゼスチャーで観衆の笑いを誘い、場を盛り上げています。男女共ココペリは「性に関係する存在」との認識が強いようです。 カチナドールやシルバーアクセサリーの制作者の中には一般的に親しみやすいフルートを持ったスタイルで作る人も少なくありません。 こちらの方が解りやすく販売上都合が良い為だと思います。異論
説得力は低いですが、異論も存在します。 ココペリは古代のアステカ族の交易商を表したものという説があります。 彼らは背中に荷物を背負って南米から遥々アメリカ南西部までやってきました。 その際、友好を表現するためにフルートを吹きながら歩いていたと云われています。 しかし、最初に知られたココペリのデザインはアステカ-アナサジの貿易が行われた時代よりも700-800年も前の為、 これがココペリの起源とは考えられませんが、現在のココペリのスタイルに影響を与えている可能性はあるかもしれません。結論
結論として、古代の昆虫(恐らくアブの系統)をモチーフにした壁画や陶器の図柄と、 その後の文明で登場するカチナやその他の図柄などが合わさり現在の「ココペリ」が出来上がったものと考えられます。 本来は別々のものを描いていたものが後世の人類学者などが『角があり、猫背で笛のようなものを持っている(吹いている)形状のもの』を まとめてココペリと呼んでしまった、と言ってもいいかと思います。 実際にココペリということになっているいくつかの壁画を見比べてみるとかなりの違いがあり同じものとは思えないものが多いです。KOKOPELLIの語源
kokopelliの「koko」は「木」の意味があり、ホピとズニの神を組み合わせたとも云われています。 また「pelli」はホピとズニの砂漠のムシヒキアブという昆虫のことと云われています。 このムシヒキアブは背中が丸く鼻が長いのが特徴です。 ホピ族のココペリはムシヒキアブのカチナとされており、フルートは持たず上向きの長めの鼻が付いています。 ただし、上記の通り古いカチナドールではこの上向きの鼻が股間についており生殖を意味する存在として考えられていたことが伺えるため、 ムシヒキアブのカチナとココペリが同じものだったのかは疑問が残ります。 また、ホピとズニの神を合わせる必要性があるとも思えませんのでかなり無理のある解釈だと思います。より最近の説では「Kachina hump」カチナのコブ(背中にコブのあるカチナ)を意味しているというものもありますが、 無理矢理こじつけたような印象を受けるため賛同しかねます。
ココペリと同じような猫背のデザインは西暦1200-1400年頃のミシシッピーの工芸品で猫背の女性が描かれているものがあります。 ココペリとの関連は不明ですが東の方まで伝わった可能性はありますが、アメリカによくいる昆虫をモチーフにしたと考えるが自然でしょう。 結局のところ答えが出ないというのが現状です。
別の呼び名 Kokopele
Kokopelli-mana or Kokopelmana (ココペリの奥さん) (Hohokam)
Kokopeltiyo
Kokopilau
Neopkwai'i (Pueblo)*
Ololowishkya (Zuni)*
*ココペリと同じものなのかは不明。
KOKOPELLIの壁画
当店店長が撮影したココペリと思われる壁画
アリゾナ州フェニックスの郊外:詳細失念。ムギヨンだと思われます。

アリゾナ州セドナ近郊:シナワのペトログリフ。西暦650−1300年頃。

コロラド州ダイナソー国定公園近郊:フリーモントのピクトグラフ。西暦800-1200年頃。

アリゾナ州ペトリファイドフォレスト国立公園内:古代プエブロのペトログリフ。西暦0-1300年頃。
壁画や遺跡に興味のある方は当店店長運営のこちらのサイトもご覧ください。
https://petroglyphs.arizona-studio.com